あかべこ物語

~むかしばなし~

 

★赤べこの由来

 

むかしむかし

会津の里にお城を造ったとき立派な石垣を築くため
大っきな石がたくさん集められたんだど。

 

中でも、ものすごく大っきな石運ぶとき
あんまし大っきなもんだがら途中でつっかがってしまって

みんなでなんぼ一生懸命がんばって力出しても、

押せども引けどもビクとも動かねぐなってしまって
困り果ててしまったど。

 

ほしたら、どっからともなく赤いべこがあらわれて
その大石を何の苦もなくスルスルっと
お城の工事場まで運んでくっちゃんだど。

 

みんな大喜びして
「ヤレ、良かった。だども、たいした力持ちのべごがいたんだもんだ。

どごのべごだべ」
ってべご探したっけがどごにもべごの姿見ぇねんだど。

 

「アラー、今までここにおったけがあのべご、どごさいっただべ」
ってあたりみんな探してもどごにもいねがったど。

 

若松の町から、ずーっと行った西の方に柳津っつうどごあって、

そこには弘法大師様がご本尊様彫らったといわれる
福満虚空蔵様があって会津の人たちはとても信仰していんだげんじょも
そこの御使いのべごの石像が泥だらげになってたんだど。

 

会津の人たちは、みんなその御利益を
ありがてぇと思って、赤いべこさぇでお供えしてお礼したんだど。
それが、今でも会津に伝わってる赤べこの由来なんだど。

※只見線沿線に伝わる昔話より